山林を取り巻く地域は、住民が少なくて静かな自然環境です。山林で音楽をかけたり大声で騒いだりすると意外に遠くまで響くものです。山を手に入れた記念に友達を招待してパーティでもやったら、ノリノリになる可能性もあります。これで近隣からクレームが入ります。何も言われなくても白い目で見られることになります。一度ついてしまったイメージはなかなか払拭することはできません。山里での近隣トラブルは、都会以上に深刻な問題となります。せっかく手に入れたのに、行く気がどんどん失せるでしょう。「山林内なら大騒ぎできる」というのは大きな誤解です。ご注意ください。
山林を所有していると山火事に日ごろから注意を払う必要もあります。消防から山火事防止の対策について指導を受けたり、林業や災害防止の団体から頻繁に指導を受けることもあります。山火事が発生すると広範囲に損害を引き起こします。大きな社会問題にまで発展する可能性があります。キャンプの直火やタバコや火の不始末が原因となることも多く、一度でも問題を起こしてしまうと山林所有者としての責任が重くのしかかります。特に注意したいのは、BBQの後、消えたと思った炭をその辺にばらまくと、火がまたついて火事につながるケース。炭はなかなか消えません。炭の表面に赤い光を放っていなくても、炭の中に火が残っている場合が多くあります。炭を消す正しい方法は以下の通りです。
1.水につけて消す
2.火消し壺など密閉空間に入れて消す
3.炭が燃え尽きるまでBBQ台のまま放置する
土に埋めるのも危険です。埋めたところで火は消えていません。
しばらくしてから再発火する可能性もありますし、炭はなかなか地中で分解されませんので、そのままゴミとして残ります。BBQ台に水をかけるのも危険です。急激に冷やされるため、変形してしまう可能性もありますし、一気に水をかけると、一瞬で水蒸気が発生しますので、この水蒸気と一緒に灰が舞い散り、服が汚れたり周囲の人の食事に灰がついたりします。2014年に兵庫県で、バーベキューの炭の不始末が原因で東京ドーム15個ぶんもの範囲が焼ける山火事が起こりました。この時は近くの住民の皆さんが避難するほどの騒ぎになり、炭を消さなかった男性は逮捕されました。 |