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NATURE / 森へ帰ろう011:除菌は時代遅れ!

 
 
除菌は時代遅れ!
 
 

□除菌は時代遅れ!

「細菌」とか「微生物」と聞くと、思わず除菌しようと考えてしまう人たちが多いですが、人間に悪さをする「病原菌」は、ごく一部でしかありません。その「病原菌」をシャットアウトするには、人間の味方である「常在菌」を増やしかありません。シューっとやってしまうと、病原菌だけでなく常在菌も一緒に殺すことになります。あのテレビCMはもう流さないでほしいくらいです。間違った洗脳の賜物でしかありません。

ノーベル賞を受賞した遺伝学者 J. Lederbergは、Science誌上で『人間は共生微生物とヒトから構成されている超生物である。人間にとって共生微生物は極めて重要な存在であり、大切にしなければならない』という内容の論文を2000年に発表しました。要するに、人間は「人」という部分と「微生物」という部分が合わさった共同体だというのです。「人間は微生物の袋である」と表現されています。

その微生物は、人の皮膚の表面や腸の中、口腔、鼻腔、喉、肺、胃、小腸、大腸、皮膚、膣といったあらゆる場所にコロニー(群れ)を形成しています。この状態が健康というものです。こうやって私たちは微生物たちに生かされています。内臓が機能しているのは微生物たちのおかげです。たとえば消化管の中で働く乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌や酢酸菌などは、消化を助け、ビタミン、ミネラル、ホルモン刺激物質などを作り出しています。栄養バランスが偏ったり、添加物や保存料を取りすぎたりすると、微生物が弱ります。微生物が弱れば人間も弱ります。

現代は、抗生物質や消毒薬や食品保存料や界面活性剤が身近に氾濫しています。これらの化学物質は、有用菌も病原菌も関係なく殺菌します。これからは、除菌するよりも、有用菌を増やすことを考えていくほうが得策のようです。それには、添加物をなるべく口にしないで、発酵食品を食べるようにすればいいだけです。天然の食物繊維をとって腸内細菌を応援するようにしましょう。それから、なるべく森に行きましょう。自然に触れて、新鮮な空気と一緒に土壌菌を吸い込むことで、健康になれます。土壌に生息する腐生性細菌「マイコバクテリウム・ヴァッカエ」には、抗炎症、免疫調整、ストレス耐性の性質があるそうです。(米コロラド大学ボルダー校の研究による)徐々に除菌の回数を減らしながら、森でゆっくりする機会を増やすようにしましょう。

注意しておきたいのは、細菌とウイルスは違うということです。細菌は一つの細胞しかないので単細胞生物です。細菌は栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていきます。人の身体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っています。抗生剤や抗生物質などの抗菌薬は細菌を退治するための薬です。ウイルスは細菌の50分の1程度の大きさで、遺伝子とそれを固定するタンパク、それらを包む殻のみの構造体です。とても小さく、自分で細胞を持ちません。ウイルスには細胞がないので、他の細胞に入り込んで生きていきます。人の体にウイルスが侵入すると、細胞の中に入って自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、ほかの細胞に入りこみます。このようにして、ウイルスは増殖していきます。
人に病気を起こすことがあるウイルスとして、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどがよく知られています。風邪(普通感冒)はさまざまなウイルスが原因となります。抗生剤はウイルスには一切無効です。「病気にかかったら抗生剤を飲めばだいたい治る。病院に行ったのに抗生剤もくれないなんておかしい。」と思われている方も少なくないと思いますが、それは時代遅れの考えでしかありません。

多くの現代人はどうも誤解をしているようです。だから、子供たちに言います。「外から帰ったら手を消毒液で除菌しなさい。」とか。部屋を除菌するわよ。」とか、「具合が悪いなら病院で抗生物質を注射してもらいましょう。」とか、「お店にはマスクをして除菌してから入店してください」とか・・・。

そして、現代では、細菌が進化してしまって手に負えない状況が私たちを襲ってきています。これを薬剤耐性菌(AMR)の問題といいます。抗生物質・抗菌薬は細菌をやっつけてくれるのですが、使い過ぎると良い細菌まで殺してしまいます。必要がないのに抗生物質や抗菌薬を飲むと、良い細菌が減って、バランスがとれなくなります。そうすると、悪い細菌が領土を広げてしまい、結果として下痢などの副作用が出てしまうことになります。抗菌薬が効かないもしくは効きにくくなった細菌のことを薬剤耐性菌(AMR)といいます。細菌は生物なので繁殖するたびに変異します。つまり、進化し続けています。細菌感染に対してある抗生剤が使用された場合、その細菌は自分や子孫を守ろうとして、変異します。そうすると、その薬剤が効かなくなるようになります。繰り返し同じ抗生剤を中途半端に投与し続けた結果、どんどん進化して薬剤耐性菌になります。

薬剤耐性菌には一般的な抗生剤はもう効きません。つまり、今までできたはずの治療ができなくなります。2013年時点では、薬剤耐性が原因の死亡者数は約70万人でした。このまま何も対策をせずに、薬剤耐性菌が現在のペースで増加したら、2050年には死亡者数が1000万に上ると推定されています。この数字は、現在のがんによる死亡者数を超えています。大半の死亡者はアフリカとアジアで発生すると考えられていますが、薬剤耐性菌による死亡率が人類を破滅させる未来は避けたいものです。

 
 
 
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