■FARM / 049:傾斜地農業
棚田のような水平面をつくらずに傾斜地のまま農耕し、カヤなどの敷き草によって土壌流出を防ぐのが傾斜地農業の特徴です。 徳島県の「にし阿波の傾斜地農業」は、場所によっては斜度40度にもなる畑で農業を行うため、サラエやテンガ、フタツバなどと呼ばれる独自の農具を使用しています。 ソバやアワなど在来品種の雑穀をはじめ、伝統野菜や山菜などを少量多品目で栽培しています「にし阿波の傾斜地農業」は、世界農業遺産に認定されましたが、日本の農業の原点とも言える農耕システムを現代へと受け継ぎながら、里山の暮らしや優しい風景を守り続けています。傾斜地で農業ができるなんて思ってもいない方たちが多いとは思いますが、水はけが良いので失敗する確率が低くなります。平野の水田よりも風通しが良いため、害虫が発生しにくいメリットがあります。 それから、斜面にあることから日照の時間が長く、南向きであればさらに日当たりが良いことも良い影響があります。既成概念にとらわれずに、新しいことにチャレンジしていく精神が世の中をきっと変えていくことにつながるでしょう。