私たちは、今の時代の価値観の中で当たり前のように暮らしていますが、時代や風土、地域によって、現代の日本とは異なった価値観があって風習や常識を形作っていました。価値観はゆっくりと知らず知らずのうちに変化を続けて、いつの間にか私たちの習慣や常識も変わっていくものです。私たちが享受している近代文明が始まったのは明治時代以降のことです。人類の長い歴史の中で見れば、ほんの一瞬でしかなく、この急激な変化は世界にさまざまな異変を引き起こしています。持続可能な社会を模索し始めた私たちは、まず自分たちの常識を疑うことから始めてみることが必要なのかと思います。地球を持続可能な環境に戻していくためには、古代文明や少数部族、地球のへき地にある未開文明、先人たちの考え方などにヒントが隠されているのかもしれません。古き思想は、私たちにとっての非常識であるかもしれません。現代に取り入れて新しい価値観を創造することは、まさに温故知新。非常識と思えるようなことを実践することが次の時代をつくる最先端の方法なのかもしれません。
「和の心」は、世界の中で、日本人の美徳として受け入れられています。「和の心」とは、互いを信頼し、集団行動でのルールを守り、他人に迷惑をかけないことをモットーとする精神です。自己主張することよりも、他者を慮り、調和を図ることが日本人の美徳でした。しかし、戦後の日本は変わりました。和の心を無くしてしまった人は国際人とは言えません。「騙されるから人を信用しないで、自分の主義主張は相手を攻撃してでも押し通すことが常識だ。個人主義なのだから、もっと自分を表現して・・・・・
日本の文化は、話し合いによって関係者の感情への配慮やコミュニティの調和を重んじてきました。オオクニヌシの時代から盛んにコミュニケーションが行われました。当事者同士の調和や関係を重視し、新たな創造やビジョンを実現していくことでした。江戸時代にも、村では三日三晩酒盛りをしながら、あーでもない、こーでもないと語り合った記録があります。みな平等に発言でき、反対する人がいなくなるまで、話し合いがずっと続きました。これは江戸時代から始まったものではなく、さかのぼって・・・・・
「野生の思考」は、非合理などではなく、科学的な思考よりも根源にある人類に普遍的な思考であり、近代科学のほうがむしろ特殊なものだと彼は考えました。「野生の思考」は、フランスの民族学者レヴィ=ストロースが1962年に出版した書籍によって強く訴えたベストセラーです。動物には「野生動物」と「家畜動物」がいます。動物の感覚を私たちが想像する限り、彼らの幸せを実感する豊かな心は、きっと「野生動物」が「家畜動物」に勝ると考えることができるでしょう。・・・・・