江戸時代の日本には「士農工商」という身分制度があったと学校で学びました。日本においては、江戸時代に職能に基づく身分制度を示す言葉として用いられましたが、もともとは、古代中国の儒教用語で、本来は「すべての人々」という意味でした。
現在の教科書には「士農工商」という文言がありません。それはカースト制度のように確立された身分制度ではなかったということが明らかになったからです。それは職人や町人などの単なる職業分類のようなもので、武士の息子が小作人になったり、職人に弟子入りしたりしていた社会でした。下級武士が長屋に住んで傘職人になったり、町人が武士に金を貸したり、職人の息子が医者になったり、武士の称号を与えられたりする自由な社会であったことがわかっています。百姓や町人でも功績が認められれば武士になることも可能だったようですし、 武士の身分は高かったとしても、その他の人々に身分差はほぼなかったという意見も有力になっています。つまり、格差のない自由で平等な社会であったというのがわかっています。
ちなみに、インドには「カースト制度」と呼ばれる身分制度があります。ヒンドゥー教に由来する社会制度です。カースト制度は、現代でも人々の生活に深く根付いているようです。現代においては、やはり身分制度は社会的に芳しくないらしく、カースト制度は一応法律で禁止されていますが、制度としては受け継がれているようです。IT産業など従来の職業分類に当てはまらない新たな職業が生まれたことで、カースト制度の影響は低下しています。都市部ではカースト意識が薄れてきていますが、農村部では未だ根強く残っているのが現状のようです。 |