都市であることが個人の防災を阻害するリスクもあります。都市では、地域内の道路・公園などの公共施設が不十分なため、火災発生時には延焼しやすく、老朽木造住宅の密集市街地が点在しているエリアでは、一度火災が発生すると、大火となる危険性が高いものです。密集市街地では道路が狭いため、避難や消火・救出活動が困難になる場合も多くあります。避難行動においても、超高層ビルと中階層ビルが混在する市街地や駅ターミナルに人があふれてしまうことが考えられます。通勤・通学による大規模な人口移動による帰宅困難者が大量発生するでしょう。都市圏には公共施設や避難所が多いですが、避難者が集中するため収容できないこともあるでしょう。市町村庁舎、職員の大規模な被災により自治体が機能しなくなり、公的支援もストップします。ガス・上下水道・交通などが寸断されると、孤立集落で自主的な努力するほかなくなります。
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